コンテンツにスキップ

Sony Tablet

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Sony Tablet
製造元 ソニー
種別 タブレット
発売日 Sシリーズ(Wi-Fi):
2011年9月17日
Sシリーズ(Wi-Fi+3G):
2011年10月28日
Pシリーズ(Wi-Fi+3G):
2011年10月28日
Pシリーズ(Wi-Fi):
2012年4月21日
オンラインサービス Sony Entertainment Network, プレイステーションスイート, リーダーストア
関連商品 Sony Tablet S, Sony Tablet P

Sony Tablet(ソニー・タブレット)は、ソニーがかつて製造していたAndroidを搭載したタブレット端末のシリーズ名である。キャッチコピーは「みんなのタブレット[1]

その後、2012年8月に後継機種の『Xperia Tablet S』が発表され、同モデルよりソニー本体が出すタブレット端末はスマートフォンと共通のブランドを冠した「Xperia Tablet」(エクスペリア・タブレット)に変更された[2]

個別の機種の特徴は『Sony Tablet S』および『Sony Tablet P』を参照のこと。

概要

[編集]

2011年4月26日に初公開。のちに『Sony Tablet S』になる「S1』と、『Sony Tablet P』になる『S2』が公開された。同年秋頃を販売予定とし、端末仕様については「OSにAndroid 3.0を採用」・「CPUTegra 2を提供」の旨が発表された。また、他のソニー商品との連携も発表され、記者会見にはAndroid社を創業し、Googleの副社長を務めるアンディ・ルービンが出席した[3][4]

2011年9月1日、メディアコンテンツの機能を重視した『Sony Tablet S』と、モバイル性とコミュニケーション性を重視した『Sony Tablet P』のタブレット端末2機種を発表し、タブレット事業に本格参入した[5][6]。日本市場では、『Sony Tablet S』(Wi-Fiモデル)が9月17日に販売開始されたのを皮切りに、順次、全世界で発売された[7]

初期搭載OSに、Android 3.1(『Sony Tablet S』(Wi-Fi))およびAndroid 3.2(『Sony Tablet S』(Wi-Fi+3G)・『Sony Tablet P』)を採用。両機種とも、CPUにはデュアルコアの「Tegra 2 (1GHz)」を採用[5]

Sony Tabletは販売時の説明会で、それ以外のタブレットとの差別化ポイントとして『デザイン』・『操作感・操作性』・『他のソニーデバイスとの連携』・『複数のエンターテイメントサービス』をあげた[1]

『デザイン』は、これまでのタブレットとは異なる形状を採用し、『Sony Tablet S』では側面がくさび型で、横持ち時に上から下に向かって細くなる「偏重心デザイン」を採用[8]。『Sony Tablet P』では、横持ち時に上下2画面で折りたたみ出来るデザインを採用した[9]

『操作感・操作性』は、動作が軽快になる『サクサク・エクスペリエンス』技術を採用。ソニーの各種サービス、AV機器との連携も行われた[10]

『他のソニーデバイスとの連携』は、ソニータブレット内の動画をブラビアDLNAで接続して再生する機能や、リモコン機能の搭載[1]

『複数のエンターテイメントサービス』は、Video Unlimited・Personal Space・PlayStation Certified・Reader Storeの連携が発表された[1]

Wi-FiやWAN機能を搭載しており、ウェブブラウジングやメール、インターネットブラウザー上でビデオ、プレイステーション スイートのゲーム、電子書籍など様々な機能がある[11]

Sony Tabletの開発発表および発売発表時点では、先行商品のiPad対抗の本命商品と報じる会社も存在した[12][13]

2012年3月22日にAndroid 4.0.3へのアップデートを発表[14]。同年5月24日より、Android 4.0.3へのアップデートを提供開始し[15]、独自機能拡張として2つのアプリを同時に利用できる『スモールアプリ』の対応と、ソニー製ブルーレイレコーダーの運用が出来る『RECOPLAアプリ』に対応した[16]

大きな特徴は、主要他社の場合と同様に製造メーカー主導となっていたことである。このため、日本でこの商品を扱うNTTドコモでも、自社のタブレットシリーズ「ドコモ タブレット」とは別個のラインナップとして位置づけられていた。販売時にはドコモのSIMロックがかけられている。SIMロックについては所定の手続きを経て解除できる[17]

2012年8月29日、ドイツのベルリンで開催されている「IFA 2012」にて、9.4型Androidタブレット「Xperia Tablet S」が発表された。米国では2012年9月7日に発売される予定で、ソニーのスマートフォンと同じXperiaブランドに統合されることとなり、「Sony Tablet」としての商品展開を終了した[18]

1年間の販売実績は芳しい物ではなかった。理由として、採用したCPUのTegra 2の動画再生時の性能不足、デザイン上の都合による厚み、ソニー商品との連携の悪さなどが挙げられている[19]

ラインアップ

[編集]

Sony Tabletシリーズ終了までに、日本国内では2シリーズ・5機種が販売された。

シリーズ名 日本販売モデル 液晶方式 通信方式 端末形状 カメラ画素数 ストレージ容量 初期搭載OS 備考
Sony Tablet S SGPT111JP/S
(Wi-Fi 16GB)
SGPT112JP/S
(Wi-Fi 32GB)
SGPT113JP/S
(Wi-Fi+3G 16GB)
カラーTFT液晶
9.4インチ
WXGA (1280×800 px)
IEEE802.11 b/g/n
(Wi-Fiモデル・Wi-Fi+3Gモデル)
HSDPA・HSUPA
(Wi-Fi+3Gモデルのみ)
スレート型 511万画素CMOS
(リア)
30万画素CMOS
(フロント)
16GB
(Wi-Fiモデル・Wi-Fi+3Gモデル)
32GB
(Wi-Fiモデルのみ)
Android 3.1
(Wi-Fiモデル)
Android 3.2
(Wi-Fi+3Gモデル)
Android 4.0.3へのアップデート可
2012年9月に後継のXperia Tablet S発売
Sony Tablet P SGPT211JP/S
(Wi-Fi+3G)
SGPT213JP/H
(Wi-Fi)
カラーTFT液晶
5.5インチ×2
(1024×480 px)
IEEE802.11 b/g/n
(Wi-Fiモデル・Wi-Fi+3Gモデル)
HSDPA・HSUPA
(Wi-Fi+3Gモデルのみ)
折りたたみ型 500万画素CMOS
(リア)
30万画素CMOS
(フロント)
4GB
(Wi-Fiモデル・Wi-Fi+3Gモデル)
Android 3.2
(Wi-Fiモデル・Wi-Fi+3Gモデル)
Android 4.0.3へのアップデート可


スモールアプリ

[編集]

スモールアプリは、Android 4.0.3対応以降に追加された機能。アプリケーションを起動中でも、スモールアプリであればマルチタスクで利用できる[16]

「計算機」・「Webブラウザ」は『Sony Tablet S』・『Sony Tablet P』に共通で搭載。「リモコン」は赤外線ポートを搭載する『Sony Tablet S』のみで提供される[16]

ソニー商品・サービスとの連携

[編集]
サービス名
商品名
目的 備考
Media Go メディア管理・転送・再生ソフトウエア PSPXperiaウォークマンなどでも利用可能
PlayStation Mobile Android上で提供されるゲームプラットフォーム PlayStation Vita向けにも提供
ソニーおよびその関連製Android端末以外では一部のHTC製端末にも提供
Reader Store 電子書籍オンラインストアー ソニーが提供する電子書籍オンラインストアー
ソニー・リーダーXperia・パソコンでも利用可能
Sony Entertainment Network コンテンツのオンライン配信サービス PlayStation 3PlayStation VitaBRAVIAウォークマンなどでも利用可能
Video Unlimited 動画配信サービス PSPPlayStation 3PlayStation VitaXperiaウォークマンBRAVIAなどでも利用可能
ソニー製ブルーレイレコーダー ブルーレイレコーダー レコーダーとWi-Fiで接続すれば、別の場所から録画番組の視聴が出来る
利用時には『RECOPLAアプリ』のインストールが必要
nasne ハードディスク・レコーダー レコーダーとWi-Fiで接続すれば、別の場所から録画番組の視聴が出来る
利用時には『RECOPLAアプリ』のインストールが必要
PlayStation 3PlayStation Vitaなどでも利用可能

歴史

[編集]
  • 2011年4月26日 - ソニーより開発中のタブレットを公開。のちに『Sony Tablet S』になる『S1』、『Sony Tablet P』になる『S2』が公開された[3][4]
  • 2011年9月1日 - 『Sony Tablet』シリーズの販売を発表。販売当初は『Sony Tablet S』3機種、『Sony Tablet P』1機種の計4機種を発表した[5][6]
    • 同日、東京都原宿で発表会を開催する[20]
    • 同日、NTTドコモより、『Sony Tablet S』・『Sony Tablet P』(共にWi-Fi+3Gモデル)の販売を行う事を発表[21]
  • 2011年9月17日 - 日本市場で『Sony Tablet S』(Wi-Fiモデル)販売開始
  • 2011年10月13日 - ドコモより販売される『Sony Tablet S』・『Sony Tablet P』(共にWi-Fi+3Gモデル)の発売日が同月28日になったことを発表[22][23]
  • 2011年10月28日 - ドコモ向け『Sony Tablet S』・『Sony Tablet P』(共にWi-Fi+3Gモデル)販売開始
  • 2011年12月15日 - Android 3.2.1(release2)へのアップデート発表。「DUALSHOCK 3」などに対応[24][25]
  • 2012年3月22日 - Android 4.0.3へのアップデートを行うことを発表[14]
    • 同日 - 『Sony Tablet P』にWi-Fiモデルを追加することを発表[26]
  • 2012年4月21日 - 日本市場で『Sony Tablet P』(Wi-Fiモデル)販売開始
  • 2012年4月26日 - アメリカでAndroid 4.0へのアップデート開始[27]
  • 2012年4月27日 - 当初予定していた、Android 4.0アップデートを延期することを発表[28][14]
  • 2012年5月18日 - Android 4.0アップデートを5月24日から開始することを発表[29][14]
  • 2012年5月24日 - 日本でのAndroid 4.0へのアップデート開始
  • 2012年12月20日 - システムソフトウェアアップデート(release5a)実施。これにより、XPERIA Tablet Sに付いていた機能の一部(WALKMANアプリ、ワイヤレスお出かけ転送、ゲストモード、日本語キーボードの手書き認識等)が利用可能になる。[30]

脚注

[編集]
  1. ^ a b c d “ソニーらしい4つの特徴”でみんなのTabletに──「Sony Tablet」製品発表会 (1/3) - ITmedia 2011年9月1日
  2. ^ 【IFA 2012】ソニー、NFC対応Xperiaや4K BRAVIAを披露-無線LAN搭載のNEX、新HMD。"Kando"を世界に - AV Watch 2012年 8月 30日AV Watch
  3. ^ a b ソニー、Androidタブレット2製品を発表 - ケータイWatch 2011年4月26日
  4. ^ a b 様々なネットワークサービスを快適に楽しめる、独自デザイン採用のアンドロイド3.0搭載タブレット端末“Sony Tablet”を発表 ~伸長を続けるPC市場に向けてはVAIOを強化~ - SONY 2011年4月26日
  5. ^ a b c ソニー、Androidタブレット2シリーズ4製品を発表 - ケータイWatch 2011年9月1日
  6. ^ a b 持ちやすさや携帯のしやすさを追求した独自のデザインを採用 サクサクとした快適な操作感でネットワークサービスやアプリケーションを楽しめる Android™搭載タブレット端末“Sony Tablet”2機種 発売 - SONY 2011年9月1日
  7. ^ ソニーが“Sony Tablet”の詳細を発表――9月17日より順次発売 (1/3) - ITmedia 2011年9月1日
  8. ^ iPadに勝てるか?使い勝手が秀逸 、「Sony Tablet S」の実力 - 日経トレンディ 2011年8月31日
  9. ^ ソニー「Sony Tablet P」~折りたたみボディと2画面液晶を採用したAndroidタブレット - PC Watch 2011年9月9日
  10. ^ ソニーが“Sony Tablet”の詳細を発表――9月17日より順次発売 (2/3) - ITmedia 2011年9月1日
  11. ^ 様々なネットワークサービスを快適に楽しめる、独自デザイン採用のアンドロイド3.0搭載タブレット端末“Sony Tablet”を発表
  12. ^ iPad対抗の本命? ソニーがAndroidタブレット,5.5型デュアルディスプレイタイプも今秋投入 - 日経トレンディ 2011年4月26日
  13. ^ iPad2対抗の本命か 写真で見るSony Tablet - 日本経済新聞 2011年9月2日
  14. ^ a b c d “Sony Tablet”Android™4.0.3対応やブルーレイディスクレコーダー※1連携によるテレビ視聴など システムソフトウェアアップデートによる機能追加 - SONY 2012年3月22日
  15. ^ Android 4.0.3を含むシステムソフトウェア(Release1a)アップデートのお知らせ - SONY
  16. ^ a b c Android 4.0.3搭載の「Sony Tablet」で“スモールアプリ”を試す (1/2) - ITmedia 2012年03月27日
  17. ^ SIMロック解除対応機種 - NTTドコモ
  18. ^ ソニー、Sony Tablet Sから薄型化した「Xperia Tablet S」を欧州で発表 - ITmedia 2012年08月30日
  19. ^ Xperia Tablet Sは「ソニーらしい」タブレットになったか? - ASCII.jp×デジタル 2012年9月5日
  20. ^ ソニー、東京・原宿で「Sony Tablet」をお披露目 - ケータイWatch 2011年9月1日
  21. ^ ドコモ、ソニーのAndroidタブレットを販売へ - ケータイWatch 2011年9月1日
  22. ^ ドコモ、「Sony Tablet S」「Sony Tablet P」を28日発売 - ケータイWatch 2011年10月13日
  23. ^ 「Sony TabletTM S」および「Sony TabletTM P」を発売 - NTTドコモ 2011年10月13日
  24. ^ 「Sony Tablet」がバージョンアップ、「DUALSHOCK 3」など対応 - ケータイWatch 2011年12月15日
  25. ^ SGPT111JP/S・SGPT112JP/S・SGPT113JP/S・SGPT211JP/S Android 3.2.1(release2)アップデートのお知らせ - SONY
  26. ^ ソニー、Sony Tablet PシリーズにWi-Fiのみの新モデル - ケータイWatch 2012年3月22日
  27. ^ 動画:ソニータブレットS のAndroid 4.0 更新、米国で提供開始 - engadget日本語版 2012年4月26日
  28. ^ Sony Tablet、Android 4.0へのアップデート延期 - ケータイWatch 2012年4月27日
  29. ^ Sony TabletのAndroid 4.0バージョンアップ、5月24日に開始 - ケータイWatch 2012年5月18日
  30. ^ SGPT111JP/S・SGPT112JP/S・SGPT113JP/S・SGPT211JP/S・SGPT213JP/H Android 4.0.3を含むシステムソフトウェアアップデート(release5a)開始のお知らせ - ソニー 2012年12月20日

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]